新型コロナウィルスが蔓延し、マスクを買うことが相当難しくなっています。
メーカーの方でも増産していますが、介護施設や病院に配布され、店頭に並ぶことは珍しい状態です。マスクだけでなく、体温計や除菌シートなどもお店に在庫がないことの方が多いですよね?
家庭でも消毒をして新型肺炎の予防に努めたいところですが、もしお店に「無水エタノール」か「エタノール」があれば、チャンスですよ。販売しているエタノールを薄めれば、手などの消毒に使えるので。
無水エタノール消毒薬からアロマも出来るんですよ。
そこで無水エタノール消毒液の作り方やアロマにして使える方法をお教えします。
無水エタノール消毒液の作り方を学んで手を消毒しましょう!
無水エタノール消毒液の作り方
薬局では、「無水エタノール」か「エタノール」が販売されています。違いは、エタノールの濃度が違うだけです。
・無水エタノール:アルコール濃度99.5vol%以上
・エタノール(局方品):アルコール濃度95.1~96.9vol%
二つともアルコール濃度が高いために、使用するとすぐに蒸発してしまします。
そのため、水で80%程度に薄められれば、手などを消毒するのに最適です。
尚、「エタノール」は引火しやすいので、火のそばで使用すると危険です。また、目や口などの粘膜部分に直接つけるのもNGです。
さて、無水エタノール消毒液を保管する容器は必ず下記の素材のものを選んで下さい。
・ポリエチレン(PE)
・ポリプロピレン(PP)
・ポリ塩化ビニル(PVC)
「無水エタノール」、「エタノール」を使った消毒液の作り方は下記のとおりカンタンですよ。
・無水エタノール400ml、水100mlを加える(4:1の割合)。
・エタノール415ml、水85mlを加える(83:17の割合)。
ところで、無水エタノール消毒液で何度も消毒すると、手荒れになることがあります。
手の表面がガサガサになれば、ウィルスが付着しやすくなりますので、消毒後は化粧水やクリームで保湿ケアをするように心がけて下さい。
メタノールとエタノールの違い
お店によって、「エタノール」ではなく、「メタノール」という名前の商品も売られていますが、「メタノール」は燃料用アルコールとして使われるので、人体には有毒な物質です。
「メタノール」は毒物及び劇物取締法にて「劇物」に指定され、もし服用すると視神経・中枢神経が冒されます。絶対に間違いないようにして下さい。
【メタノール】化学式:CH3CH2OH
沸点は64.7℃で、天然ガスなどから工業的に製造します。
【エタノール】化学式:CH3OH
沸点は78.37℃で、ジャガイモなどデンプン質を発酵させて作られます。
お酒で消毒の代用が出来るの?
エタノールは、ジャガイモなどから作られることは述べましたが、消毒薬としてお酒も利用出来ます。
酒造メーカーも、醸造用アルコールを消毒薬として生産を開始することも出てきました。
もともとお酒には酒税がかかっていましたが、国税庁から消毒用アルコールとして転用することが認められました。
サントリー、熊本の高田酒造や瑞鷹、佐賀の楠乃花蒸溜所、岡山の宮下酒造、岩手の南部美人、富山の若鶴、沖縄石垣島の諸福酒造、高知の菊水酒造などでも消毒用アルコールとしても使えるお酒の生産が始まりました。
消毒薬として使うには、70度以上のアルコール度数が必要です。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方
もし「無水エタノール」や「エタノール」も買うことが出来ない場合、テーブル、ドアノブ、手すり、スイッチなど手が触れる場所限定で「次亜塩素酸ナトリウム消毒液」が有効です。
「次亜塩素酸ナトリウム」は入手しやすい花王「ハイター」を利用します。500mlのペットボトルに水を入れ、キャップ約2杯強(12.5ml)の花王「ハイター」を加えて混ぜるだけです。
次亜塩素酸ナトリウムは分解されやすいので、都度必要量だけ作りましょう。
アルカリ性の強い製品のため、薄めた液でも皮膚を傷める可能性があるので、手の消毒用としては直接利用出来ません。
皮膚についたら、すぐに水で十分洗い流すようにします。
使用時は十分な換気を行い、目に入ると失明の恐れもありますので、万一目に入ったら、水の中でまばたきしながら、15分以上洗い、医師の診断を受けます。
また、次亜塩素酸ナトリウム液をスプレータイプの容器に入れて噴霧すると、呼吸器に異常をきたす恐れがありますので、そういった使い方はしないようにしてください。
洗濯用の「ワイドハイター」は酸素系漂白剤のため、消毒液として使用出来ないので注意されてください。
無水エタノール消毒液を使うアロマの作り方
アルコール対応のプラ容器も品薄で買えない場合があります。そういう場合は、「香水アトマイザー」が使えます。
小さいもので5ml、大きいもので30mlくらい入るので、外出先でも使えます。スポイトを使って入れれば、注ぎ口が狭くても大丈夫ですよ。
さて、アロマオイルには抗菌、抗ウイルスとして期待できるものがあります。無水エタノール消毒液にアロマオイルを加えれば、さわやかな香りも楽しめます。
無水エタノールベースのアロマは、例えば無水エタノール5mに精製水45mlを加え、アロマオイルを10~20滴混ぜればOKです。
加えるアロマオイルは下記がオススメですね。
・タイム
肉料理にも使われ、抗菌効果が期待できます。
・ユーカリ
殺菌、抗菌効果が期待されます。
・ペパーミント
成分のメントールによる殺菌、抗菌、抗ウイルスの効果が期待出来ます。
・ミルラ
スモーキーで、殺菌や抗菌効果が期待されます。
・ラベンダー
殺菌・抗菌に優れ、リラックス効果も期待出来ます。
・レモン
殺菌効果があると言われています。
・レモングラス
成分のシトラールによって殺菌、抗菌、抗ウイルスが期待されます
・ジュニパーベリー
ウッディ系の香りによるリラックス効果や殺菌効果が期待出来ます。
ティートゥリー
殺菌、抗菌、抗ウイルス作用が期待されます。
ちなみにルームスプレーとして使用する場合は、無水エタノール1割に対して精製水は9割の割合で混ぜて下さい。
精製水がこれより多いと劣化しやすく、逆に無水エタノール濃度が濃すぎると、アロマオイルの有効成分の揮発が早まりますので。
まとめ
新型肺炎がなかなか終息しないために、マスクや除菌グッズが手に入るのが難しくなりました。
もし薬局で「無水エタノール」、「エタノール」を購入することが出来れば、精製水で薄めるだけで手などの消毒薬として利用出来ます。無水エタノール:精製水=4:1の割合で混ぜるだけでOKです。
無水エタノールと紛らわしい「メタノール」という製品がありますが、こちらは燃料などに使われ、人体には有害物質ですので、絶対に消毒薬として購入しないで下さい。
無水エタノール消毒薬の保管容器として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)のものを利用して下さい。
「香水アトマイザー」があれば利用してもよく、そこにアロマオイルを加えれば、アロマとしても使用出来ますよ。