岐阜市で高級柿の「富有柿」が相次いで盗まれる事件が起きて話題になっています。
単なる窃盗ならそれほど話題になりませんが、今回の盗難事件では、600個と6万個と大量の富有柿が相次いで盗まれています。
どういう手口や販売ルートがあるのかも検証してみました。
どんな場所で盗まれたのか?どのくらいの量がどのくらいの時間で消えてしまったのか?
まず、盗難事件の発生した状況を確認したいと思います。
①2021年10月18日通報
岐阜市で、富有柿が6万個盗まれた。植えられた400本の木から、ハサミで切り取られた形跡が見られた。
1個250グラムの柿で、計15トン前後の窃盗事件になる。時価300万円相当。
詳しくはコチラ>>>岐阜新聞
※補足情報
柿畑の広さは約990平方メートル。
同じく岐阜市の畑(約1,000平方メートル)にある15本の柿の木から、富有柿が600個盗まれていた。
20日に所有者の男性が見回ったときに異常がなく、22日に盗まれていたことが判明した。被害総額は時価7万円相当。詳しくはコチラ>>>岐阜新聞
岐阜市では、毎年、柿を窃盗する事件が起きています。①の事件が発生したので、②の事件を警戒していなかっのか疑問に思えますが、盗難カメラをつける費用を考えると、あまり意味がないのでしょうか?
富有柿ってどんな柿?高級な柿なの?岐阜市のどの地域なのか?場所を確認!
#柿 の『富有(フユウ)』を食べてみました
『#富有柿』の木に沢山の品種を接ぎ木した為、肝心の『富有柿』がなりません
但し『#禅寺丸』の木に
Sさんから枝を頂いて
接ぎ木しており、その実を収穫しました甘くて美味しいのですが、個人的には『次郎柿』が好きなこともあり、順番はその次です pic.twitter.com/2ZXdhJ8hX3
$2014 sentomo (@sentomo3) October 29, 2021
そもそも、今回の盗難された「富有柿」(ふゆうがき)はどのくらい有名な柿なのでしょうか?
岐阜県瑞浪市が発祥の柿で、甘柿の中でも最高級品になります。
果肉は緻密でとろけるような甘さがあり、果汁も多いのが特徴です。
ちなみに、「次郎柿」というブランドがありますが、富有柿は柔らかく、次郎柿は硬めで歯ごたえがある柿です。
富有柿の1個の値段を調べてみたところ、秀品11~15玉(約3.5kg)で4,000円くらいでしたので、1玉300~400円くらいになりますね。結構、いい値段がします。
6万個盗まれた事件では、「岐阜市のうち長良川以北の区域」が管轄の岐阜北署が担当し、600個盗まれた事件では、「東海道線及び高山線以北で長良川以南の地域」管轄の岐阜中署が担当しています。
画像のように、6万個の事件は左の小さい赤枠、600個の事件は右の大きな赤枠が犯行現場です。
Googlなどで現地の様子を見たところ、周りに民家があまりなく、街灯もないようでしたので、深夜に来たら真っ暗で、犯人が来ても分からないと思われます。
富有柿は11月上旬~12月上旬の約1ヶ月間で収穫されるので、今回の犯行はいずれも収穫直前の柿を狙ったものでしょう。
6万個を盗まれた農家の人の証言だと、収穫は何日かけてやるもので、6万個を盗むなら数日かかるし、少なくても軽トラック1台だけですべて運ぶのは困難とのことです。
ところで、一般の方でも万一に備えて「盗難保険」が掛けられることがありますが、農作物の場合、「収入保険制度」というものが利用でき、農業収入が1千万円あったとして、収入が9割下回った場合の保険料は32.5万円かかるようです。保険料が結構しますが、今回窃盗に遭った農家さんが保険に入っていればいいのですが。
犯行の盗んだ手口とその後についてを考察、毎年どのくらいの被害で対策何やってるの?
6万個を盗まれた被害者の方のコメントによれば、
- 枝が極端に折れておらず、綺麗に収穫されている
- 素人の犯行とは思えず、半分、本職の盗り方であろう。
- 1人で収穫できる量ではない。
- 軽トラックでないと運べないが、1台ですべて運ぶのは無理。
- 複数日に分けての犯行
とのことでした。
手口が似ているので、600個と6万個を窃盗した犯人は同一人物と思われますが、1日で600個盗むのも犯人一人で出来る量ではないです。夜間でしか盗めないので、複数の人数でしかも収穫が手慣れていなければならないばかりか、効率よく運搬できなければならないことから、組織だった犯行だと考えらます。
お腹が空いたからの犯行動機でなく、転売目的だと思われますが、盗んだ柿をどうやって犯人が換金しているのかも気になります。このニュースが報道されたことで、農協や商店などで販売するのは困難だと思われるからです。
ちなみにメルカリで販売できるのか見てみたら、ナマモノでも販売できるんですね。冷蔵すれば、1週間~10日間は保存できるでしょう。ということは、転売が終わるまでに時間がかかるので、大型冷蔵庫がないと難しいでしょうね。
でも、600個だけでも処分するのは時間がかかって目立つので、業者へ大量販売しない限り、腐ってしまって売り物にならないでしょう。
という訳で、複数の犯人による、組織的な犯罪集団が関与していると考えられる。
大量の富有柿を転売しなければならないので、個人相手だと時間がかかって賞味期限切れになってしまうことから、業者相手の販売ルートがあるものと想像されます。