破魔矢の祀り方
破魔矢は、神社で頂く「御札」と同じように扱わなければなりませんので、神棚に飾るべきです。
神様から授かったものですので、
・頭上より上の位置に飾ること
・明るくて清潔な場所に飾ること
を心掛けたいものです。
12月であれば、大安な、良い日に飾るのがよいですが、
・12月29日は「苦立て」と呼ばれ、苦しみを連想させること
・12月31日は「一夜飾り」を忌み嫌う地域があること
から、その両日は避けておくのが無難です。
ちなみに、神社で破魔弓を売っていないのは、破邪の力を持つ神や神主が破魔弓を使って破魔矢を放つものとされ、一般の人は破魔矢だけで十分ご利益があるとされているからです。
破魔矢をいつ買うのがいい?
破魔矢は、お正月だけでなく、家を建てる際の「上棟式」や男の子が生まれた際にも破魔矢を贈る慣習が地方によってあるんですよ。
「はま」は「破魔」に通じ、破魔弓で破魔矢を射ることで、邪悪を破り浄化する効力が発揮されますので、本来は破魔矢と破魔弓はセットです。そういう訳で破魔矢と破魔弓を組み合わせ、男の子が生まれたお家へ親戚がお正月に贈った風習が今でも残っているわけです。
12月の大安の日に破魔矢と破魔弓を飾り、小正月(1月15日)にしまってもよいですし、縁起物なので1年中飾っておいてもよいでしょう。
上棟式では、棟梁が棟木に幣束(へいそく)を立て破魔矢を飾るなどして、工事中そして竣工後も建物が無事であるよう願いが込められているものですが、最近は地鎮祭はするものの、上棟式をしないことが多くなりました。
もし上棟式が破魔矢を飾るのであれば、凶の方位である鬼門(北東)、裏鬼門(南西)に矢先を向けます。
破魔矢をお返しするのはいつ?
初詣で頂いた破魔矢は、その年限定のお守りだるため、翌年には頂いた神社やお寺にお返しします。
古いお守りなどを納める「納札所/古札所/古納札所」や社務所にお願いすれば、受け取って頂けます。納札所にお賽銭箱があれば、「初穂料(玉串料)」を入れましょう。
神社によっては、1月15日の左義長(さぎちょう)、どんど焼きでお焚きあげをする場合があります。その日までにお返しするのもよいでしょう。
破魔矢 明治神宮の場合
日本最大の参拝者数を誇る東京の明治神宮で頂く破魔矢は、「守護矢」と言います。
明治神宮では、昭和23年元旦から「破魔矢」として初めて授与されましたが、明治神宮にふさわしい呼び名にするため、昭和33年の社殿再建時に合わせ、神に守護して頂けるよう「明治神宮守護矢」に変わりました。
ところで、最初は竹を使っていたのものの、同じ太さのものを集めるのが難しくなったのでヒノキ材変わりました。
また、「にわとり」の羽根を見栄えが悪かったために七面鳥の羽根に変え、竹材から檜材に変えて破魔矢を授与したのは昭和44年の元旦からであり、それを全国の神社が真似るようになりました。
ちなみに守護矢の初穂料は1,000円です。
まとめ
破魔矢は、「御札」と同じく神仏から授与されたものであることから、飾る時に特に方角の指定はありません。
それでも気になる方は、干支の年と反対の方向、南または東、鬼門または裏鬼門の方向に向けておくとよいでしょう。
破魔矢は御札と同じ神聖な物ですから、神棚か頭上より上で清潔な場所に飾るようにしたいものです。
お正月に破魔矢を頂く方も多いでしょうが、12月に頂いた場合、大安など良い日を選んで祀るようにします。
破魔矢を頂いた年限定のお守りであるため、翌年にはお返しをするようにします。
1月15日の左義長のタイミングでもいいですし、それ以外の期間でも納札所や社務所にお願いして引き取って頂くようにします。
破魔矢は明治神宮が発祥ですが、「破魔矢」と言わず「守護矢」に変更したのは面白いですね。
みなさんも破魔矢を頂いて、家の守りとしましょう。